水彩絵描きによる清晨堂の筆レビュー

「清晨堂」 せいしんどう さんの筆をよく使っています。
美大生御用達ですね。

基本的には日本画によく使われる筆ですが、水彩画との相性もバッチリ!

ラファエルなんかは有名な高級筆ですが、個人的にはラファエルと併用が良いと思っています。

 

ラファエルのコリンスキーはやはりピカイチ。

顔料もよく乗るし、水含みもいいし、とにかくしっかりまとまる。キュッと。

ただ、あまりにも「水含みが良すぎ」たり、「腰が強すぎ」たり、「絵の具が降りすぎたり」することがあります。

リス毛も同じく。あまりにも「水含みが良すぎ」、「やわらかすぎ」というあたりですかね。

 

「清晨堂」さんは、多種多様の筆を用意してくださっていて、本当に描き味が少しずつ違います。個人的には、某有名メーカーの筆を買うよりも、筆の利き方が断然違うので、こちらを選んでいただきたいです!

試していない方は是非にお試しいただけると!おすすめです。

たくさんありすぎて分からない!という方は、まず「天然即妙の中」がおすすめ。リーズナブルだし、これ一本でほとんど描けちゃいます!
以下に使った筆を表にまとめてありますので是非ご参考になさってください。

おすすめの水彩向け基本セット(これだけあればなんとかなるよ)

・天然即妙 中

・快 小

・白毫 小

・長穂彩色筆 小 中

・夏毛彩色筆 小

・短穂白狸面相 中

・蓮筆 中太 三本立・七本立

・絵刷毛 1.5寸・3寸


[ 線描系 ] 
削用 ★★★ 穂先が利くので、面塗りというより、形を描いて作りながら塗れるという感じ。 受験生に定評があるが、個人的には好みではない。 これの小を使って、天然即妙と比較して固めなのと含みの悪さに倦厭していたが、大を使って、それなりに良いと思った。 穂先が短めなので、小さいと含みが少なくて使いにくい。大~特大がおすすめ
天然即妙 ★★★★★ とってもおすすめ 先が利き。水含みがよく塗りもこなせる。 水彩には中がおすすめ。小は使いどころが難しい。 別中、大、別大は水彩には必要ないかも
応手 ★★★★ 先が利き、かため。即妙を快寄りにした筆。
長流 ★★★★

含みよく、良質な筆。描きやすく、すごくベーシック。天然即妙に近い性質で、水彩画なら天然即妙でも良い気がしてくる。水墨画に向いている感じ。筆の入りが決まって、点を打つだけで美しい。

★★★★★

とっても便利な筆。面相と削用のハイブリッドな感じ。

先がしゅっと決まり、ピンと張る。が、固すぎず柔らかい。

ハッチングには面相の方がいいだろうが、キワを決めるときにはとても便利。個人的には面相より使用頻度が高い。

別小、小がおすすめ。大、別大は水彩には必要ないかも。

白毫 ★★★★

快に似ている筆。面相と削用のハイブリッドな感じ。

先がしゅっと決まり、ピンと張る。そして硬い。硬質な線が引ける。

線描きの面相を長く引きたいときにおすすめ。

そのまま塗り広げることもできなくはないけれど、快の方がやりやすい。

別小、小がおすすめ。大、別大は水彩には必要ないかも。

[ 彩色系 ] 
かすみ

★★★

こしがしっかりあって、かすれも多少できる。


彩色筆

いらない。

学生の頃買わされたが、これを買うくらいなら長穂彩色筆か天然即妙を選ぼう。この手の使い古した筆=彩色筆 のレベルである。

長穂彩色筆 ★★★★★

とってもおすすめ。

小でも即妙の中より大きめで、まとまりもよいし、とにかく含みが良い。大、別大は水墨に向いていそう

夏毛彩色筆 ★★★

天然即妙の中は大きいけれど小は小さすぎるときにこちらの小が使いやすい筆。それなりに穂先も利くし、まとまりもよいし含みもある。

かすれの表現もしやすい。見た目ほど硬くない。

[ 面相 ] 
胡蝶 ★★★

コシつよく、アクリル・油絵の具などに向きそう。

含みは悪いが、ある意味オールラウンドで使える便利な筆。テンペラにも使えます。

狼狸面相 ★★★

描きやすく、受験生人気は高いが、それほど含みが良いわけでなく、特徴は薄い。

コシはつよく(かため)、もちろん細い線がきっちり描けて、ある意味オールラウンドで使える便利な筆。中〜大がおすすめ

長穂白狸面相

★★★ 先が長いので、初心者には扱いづらい。

短穂白狸面相

★★★★★

含みがよいのに先はまとまるお気に入りの面相。長く線が引けます。そして細部の彩色にも使えます!

長穂狸毛面相

★★★★★

面相で、コシがありながら、抑揚がつけやすいです。狼狸面相より好きです。

特製蒔絵(白狸)

★★★

鬼のように細い線がひける。たまに使います。ハッチングにも向いています。

如水 穂先が長すぎて、水彩には不向き。ふにゃふにゃしている。
線描筆(雀頭筆) 長い細い線を引く専用で、あんまり抑揚はつけやすくない。 水彩には不向き。しゃっきりしている。
[ 平筆・刷毛・蓮筆 ] 
平筆

受験生御用達の平筆ですが、こちらはあまりオススメではありません。平筆自体をあまり使わず連筆を使うことが多いのですが、おそらく刷毛や連筆の方が良い毛を使っているような感じがします。特性平筆なら、良さそうな気もしますが、使用したことがないのでわかりません。

絵刷毛 ★★★★

そこそこお値段はしますが、スーッと気持ち良く塗れる刷毛です。

漆塗りがしてあるので、木が傷みにくく、毛の接着部分がしっかりしており、長持ち。安物の刷毛と比べて、薄造りで、均一に塗れる良い刷毛です。

連筆 ★★★★★

とってもおすすめ。

断然に「幅の広い一本筆として自在に描ける」筆。

一本筆の延長として、濡れる幅広の筆。キャッツタン・オーバルタイプよりも、ナチュラルに描けます。

連筆

片羽

★★★★★

とってもおすすめ。

片羽はグラデーションがやりやすく、ぼかしも楽。

初心者には斜め感がなれないかもしれませんが、より自在に描けて塗れます。

[ 水彩人 ]  軸が漆塗りになっていて、軸が傷みにくくなっています。
Kolinsky

★★★★★

塗りやすいです!コシはラファエルの方が強めで、はっきりとした描写に向きますが、こちらは上品な感じ。先もシュッと決まって、細い線もラクラク。

Natsu ★★

そこそこお値段はしますが、スーッと気持ち良く塗れる刷毛です。

漆塗りがしてあるので、木が傷みにくく、毛の接着部分がしっかりしており、長持ち。安物の刷毛と比べて、薄造りで、均一に塗れる良い刷毛です。

Fuyu ★★★★★

長流に一番近いのかな、と感じます。天然即妙や長流が好きな人にはぴったり。

Line

★★★★

しゃっきり綺麗な線が引けます。硬質めで、長めに引けます。